今季の大学院入試シーズンが終わりました。院試Hubは、180名を超える受験生にご利用いただきました。
数字としては、まだ小さなものです。同じ年に大学院を受験する人の総数から見れば、ほんの一部でしかありません。それでも、この180という数を私たちが意味のあるものとして受け止めているのは、そこに一人ずつの具体的な状況があるからです。
大学院入試には、奇妙な空白があります。多くの大学が、過去問を公式サイトで公開しています。ところが、解答は公開されません。受験生の手元には問題だけがあり、自分の解法が正しいのかを確かめる方法がない。指導教員や研究室の先輩に恵まれた人はそこで聞けますが、他大学から受ける人、独学で準備する人、社会人として受け直す人には、その相手がいません。答え合わせのできない問題を何十問も解いて、そのまま本番を迎えることになります。
院試Hubは、その空白を埋めるために始めました。
解答だけでは足りなかった
始めてすぐに分かったのは、正しい答えを置くだけでは足りない、ということでした。
受験生が本当に知りたいのは、最終的な数式ではありません。この問題を見た瞬間に、どの方針を選ぶのが自然なのか。なぜその方針で入るのか。多くの人がどこで詰まり、どこで落とすのか。そして、完答できなかったときに、答案のどこまで書いてあれば点が来るのか。
大学院入試は、満点を取る試験ではありません。限られた時間の中で、取れるところを確実に取る試験です。だから私たちは、解答方針、典型的な失点、部分点の置き所まで含めて書くようにしました。公式に公開されている過去問と並べて、はじめて意味を持つ教材として設計しています。
来年度に向けて
今季を通して、届いていない範囲の広さもはっきりしました。対応できていない研究科があり、対応していても収録年度が足りない科目があり、そもそも院試Hubの存在を知らないまま受験期を終えた人が大多数です。
来年度から展開を本格化します。対応する大学・研究科・科目をさらに広げ、500名の利用を目指します。数を追うこと自体が目的ではありません。答えの見えない問題を前にして、確かめる手段がないまま試験日を迎える人を、その分だけ減らせるということです。